あいりん地区女性医師変死事件

事件概要

2009年11月16日、大阪市西成区の木津川千本松渡船場で女性医師(当時34歳)の水死体が発見された。女性は大阪市西成区の通称あいりん地区と呼ばれる診療所で働く医師であった。

警察は検視の結果で自殺と判断。理由は自ら交際相手だと名乗り出た人物に送った絵はがきの内容が、事実上の遺書であると大阪府警察本部が判断した事であった。

しかし、首に絞められたような跡があるなど事件には不審な点が多く、遺族側から大阪府公安委員会へ再捜査請求・苦情申し立てが2010年9月14日に行われ、2012年8月22日に殺人・死体遺棄事件として再捜査が行われる事になった。

ホームレスや日雇い労働者の支援のため勤務地を変えるほど熱心に活動していた女性医師は、地域住民やマスコミの間でも有名だった。仕事にも意欲的で、あいりん地区の医療活動に使命感を持って従事したいと父親に手紙で語っている。

これらの事から遺族や知人、あいりん地区で女性医師の世話になった人達から「彼女が自殺するはずはない」という意見が多く出た。

2011年2月25日の衆議院予算委員会でも取り上げられたこの事件は様々な謎を残したまま、2012年11月16分に死体遺棄罪での公訴時効が成立した。

時系列
  • 2009.11.13
    22時頃、女性医師が勤務している姿を他の医師が確認

  • 11.14
    4時15分頃、女性医師が警報システムを作動させ診療所を離れる

    天候は強い雨で、商店街アーケード設置の防犯カメラに女性医師の姿は映っていなかった

  • 11.14
    4時16分、診療所の警備システムが作動し、30分後に警備会社の警備員が到着したが無人である事を確認

    この時、女性医師は知人にメールを送り、別の知人に絵はがきを投函したと考えられている

  • 11.16
    1時20分、千本松渡船場で釣り人が女性医師の遺体を発見

  • 2009.12
    警察が女性医師の自転車を、遺体発見現場とは別の市営団地で発見

    遺体発見現場から2.5㎞離れていた

  • 2010.9.14
    遺族側が再捜査請求・苦情申し立て
  • 2012.8.22
    殺人・死体遺棄事件として再捜査
  • 2012.11.16
    死体遺棄での公訴時効が成立

不可解な点

  1. 女性医師の頭部には生存中にしかできるはずのないコブが頭頂部にできていた。西成署は遺体を地面に置く際にできたものだと診断したが、疑問の声が上がると後に生存中のコブであると診断を訂正。これは、生存中に何者かに襲われてコブができた後で水中に遺棄された可能性を示している
  2. 水死体の場合、水の中で関節が動くために死後硬直が起こりにくいが、遺体は死後硬直を起こしていた事から殺害後に水中に遺棄された可能性が高い
  3. 女性医師の自宅には鍵が施錠されておらず、部屋からはホコリや女性医師自身の指紋が検出されなかった。また、女性医師の部屋を掃除したと証言する人物も現れ、郵便ポストが破壊されていた
  4. 女性医師の自転車が遺体発見現場ではなく自宅でもない市営団地で発見される。その自転車には女性医師の指紋は検出されなかった
  5. 警察が自殺と判断した理由が、自ら交際相手と語る人物が送られた手紙をもとに女性医師は自殺であると主張していた

推論・噂

ネットや一部のマスコミでは、女性医師がホームレスや日雇い労働者などの支援をしているうちに、貧困ビジネスや貧困利権の様々な不正を目の当たりにした事で、世間に不正を告発しようとして殺害されたのではないかと言われている。

女性医師は不正告発のためにマスコミと接触していたという話があり、共に不正告発のために協力していた人物は不審火で死亡しているとの噂もある。

不正に関しては、この地域で実際に重複診療や架空名義での診療・医療薬の闇売買などで逮捕者が出ているのも事実なので、何かしらの不正が常態化していた可能性は高い。そこには、昔から反社会的勢力が関与しているのではないかと言われている。

さらに、女性医師が自殺であると主張した自称交際相手に送られてきた手紙の内容が「出会えたことを心から感謝します。釜(大阪市西成あいりん地区の通称釜ヶ崎)のおじさんたちのために元気で長生きしてください。」というものだった。

しかし、自称交際相手は「絵はがきを貰ったのはこの一回だけで、内容が普段あまり使われない言葉だったので、自殺だと確信している。」と語っているが、この自称交際相手が本当に女性医師と交際していた相手なのかわかっていない。

これらの話を精査すると、もちろん偶然が重なって他殺に見える状況になったとの結論もありうるが、少し調べただけで不可解な点が多く、あいりん地区という地域性や反社会的勢力が関係する特殊な事件の多さから、ただの自殺と考える方がおかしいとの意見が多い。

個人の感想

初めてこの話を知ったのはテレビだったと思う。すごく印象に残っていて「実際にこんな事があるんだな」と思ったのを覚えている。個人的に不可解な事件に興味を持つきっかけになった事件。

警察の二転三転する姿勢や多くの不可解な事象、自称交際相手の手紙や女性医師に協力していた人物の不審死など、ネットで話題になる要素が多い。

正直、調べた情報でも怪しいものも多く、どこまで本当か微妙なところだが女性医師の不審死に関してはメディアで何度も取り上げられていたので、それだけでも十分に不可解な事件。

状況証拠が多いとしても、この事件の裏には何かあると感じる。ネットには事件を取材した人の記事や西成地域の問題点を提起している情報が多くあるので、興味を持ったら読んでほしい。

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